PlantesSucculentesの雑記

子供と妻が大好きなDIYが趣味な1970s

 

@Piante3
日本の西の方から日常での出来事/想い/学びを好き勝手に書いてます。

「IPX4」の生活防水はどのくらいの防水性能?

こんにちはkeiです。

よく製品の説明に「生活防水」とか「完全防水」とか書いてある場合がありますが、実際どの程度の防水なのか知っていますか?

水滴

今まで、水に濡れても安心とか水中でも使えるますとか、もっとざっくり屋内外対応を目安にしていました。

製品の箱やネットショッピングの商品説明で「IPX4/生活防水」とか「IPX7/完全防水」なんて書いてあるの見た事があると思います。

「IP〇〇 」の IP は International Protection の略で〇〇に入る数字がどのレベルまで防塵と防水について保護できるかを示す等級なんです。その等級がどの程度の性能なのかを知れば、きちんと製品に合った使い方をする事が出来ますよ。

因みに iPhone7は IP67 なんですが、聞いても何処まで防塵防水なのか?いまいちピンときませんね。

「IP」International Protection(インターナショナル・プロテクション)とは?

ざっくり説明すると、「IP」インターナショナル・プロテクションとはIECの規格IEC60529(国際電気標準会議 International Electrotechnical Commission)で規定されている電気機器の人体に対する接近の保護と、防塵・防水の保護構造を等級で表している、いわゆるIPコードと呼ばれている規格で日本産業規格(JIS C 0920)もこの規格を採用しています。

表示は IP の後に 第一特性数字(防塵性能)・第二特性数字(防水性能)・付加文字(オプション)・補助文字(オプション)の順に表記されています。

付加文字(オプション)は危険箇所に対する接近の保護が第一特性数字で表す保護等級より上位または、第一特性数字がXで表記されている場合に使用します。

補助文字(オプション)は個別製品規格において、第二特性数字または、付加文字の後に補助的な情報として使用します。

機器の性能で特性数字を規定する必用が無い場合、非適用特定数字はXに置き換えて表示します。(第一・第二特性数字を省略する場合は、Xに置換して表示する)

付加文字及び補助文字は、置換文字Xを省略してもよい事になっています。

なので、一般的には、「IP67XX」とかってみませんね、実際表記されている場合は「IP23CH」とかになります。

「IP67」「IPX7」どこが防塵・防水を表すの?

IPコードの表記の説明

上の図にあるとおり、第1記号(防塵性能)と第2記号(防水性能)の組み合わせで表記されています、Xは規定されていないから性能がダメって意味ではなく、第1記号にXが表示されていた場合は防塵テストは行っていない事を表し、同じく第2記号にXが表示されていた場合は防水テストをしていないですよって意味です。

機器の性能で特性数字を規定する必用が無い場合、非適用特定数字はXに置き換えて表示します。

Xは製品の仕様に関し必要としていない性能なのでテストを省略(規定していない)しているって意味で、あくまで規定しないので省略してるって事なのでお間違え無く。

 保護等級とその性能

 IP〇〇の意味を知っておけば、それダメな使い方で故障させるリスクは減りますよ

第1記号 防塵に対する保護
等級 防塵性能 人体に対する保護内容
0 粉塵の侵入に対し保護なし 保護なし
1 直径50mmの検査物体の
侵入に対して保護されている
手の甲の接近に対する保護
(直径50mmの鋼球)
2 直径12.5mmの検査物体の
侵入に対して保護されている
指の接近に対する保護
(関節付試験指 直径12㎜ 長さ80㎜)
3 直径2.5mmの検査物体の
侵入に対して保護されている
工具による接近に対する保護
(試験棒 直径2.5㎜ 長さ100㎜)
4 直径1.0mmの検査物体の
侵入に対して保護されている
針金の接近に対する保護
(針金 直径1.0㎜ 長さ100㎜)
5 機器の正常動作や安全性を
阻害するほどの粉塵が侵入しない
(防塵形)
6 粉塵が侵入しない(耐塵形)
X 規定しない
 第2記号 防水に対する保護
等級 防水性能
0 水の侵入に対し保護なし
1 垂直に落下する水滴によって、有害な影響を受けない
(防滴I形)
2 15度以内で傾斜しても垂直に落ちてくる水滴によって
有害な影響を受けない。
(防滴II形)
3 鉛直から60度の範囲の散水によって有害な影響を受けない。
(防雨形)
4 あらゆる方向からの水の飛まつを受けても有害な影響を受けない。
(防沫形)
5 あらゆる方向からの水の直接噴流を受けても有害な影響を受けない。
( 防噴流形)
6 あらゆる方向からの水の暴噴流を受けても有害な影響を受けない。
(耐水形)
7 定められた圧力時間で水中に没しても有害な影響を受ける水の侵入がない。
(防浸形)
8 指定圧力の水中に常時没して使用できる。
(水中形)
X 規定しない
 付加文字(オプション)人体に関する保護
等級 付加文字(オプション)人体に対する保護内容
A 手の甲の接近に対する保護(直径50mmの鋼球)
B 指の接近に対する保護 (関節付試験指 直径12㎜ 長さ80㎜)
C 工具による接近に対する保護 (試験棒 直径2.5㎜ 長さ100㎜)
D 針金の接近に対する保護 (針金 直径1.0㎜ 長さ100㎜)
 補助文字(オプション)補助的な情報
補助文字 摘要
H 高圧機器
M 回転機のローターなど電気機器の可動部が動作状態で、
水の侵入による有害な影響について試験したもの
S 回転機のローターなど電気機器の可動部が停止状態で、
水の侵入による有害な影響について試験したもの
W 所定の気象条件のもとで使用可能で不加的な保護構造また
処理を施したもの
 〈参考〉油に対する保護等級と照明器具の高温・高湿に対する保護等級
補助文字 摘要
F あらゆる方向からの油滴・飛まつを受けても
有害な影響を受けない。(防油形)
G あらゆる方向からの油滴・飛まつを受けても
油が中部に侵入しない。(耐油形)
MP 高温・高湿形

 

JIS C0920には付属書A・B(参考)に定める、防塵性能=0~6の7段階/防水性能=0~8の9段階/付加文字=A~Dの4段階/補助文字=H・M・S・W/更に補助文字には付属書1・2(参考)によるF・G・MPがあります。

参考:日本産業規格「電気機械器具の外郭による保護コード(IPコード)」JIS C0920:2003 (IEC 60529:2001)

日本産業標準調査会のデータベース検索で検索窓からJIS規格番号 C0920で検索すると40ページ分のPDFが読めます、もっと詳しく知りたいって方はどうぞ!

日本産業標準調査会:データベース検索-JIS検索で検索!

 

そもそもよくある生活防水ってどのくらいの防水なの?

実は生活防水の正確な解釈はメーカーによって異なるんです!明確な基準ってないんですね、大まかな目安としてしか判断できないんですね。

その大まかな目安としてIPコードで、JIS防水保護等級4級相当「IPX4」を生活防水と表示している製品が多いのですが、メーカによってはJIS防水保護等級5級相当「IPX5」でも生活防水とうたっている場合があって、後者の生活防水の製品が水に濡れても大丈夫だったから、前者の生活防水の製品でも同じように使用しても大丈夫とはならないんです。

もし前者の製品が水に濡れて故障した場合、この製品ハズレだったわって思ってしまいがちですが、そもそも防水保護等級違います。いくら大まか目安でも基準がちがいますから、再購入してもまた壊しますよ。

このメーカ不良品多いわ!ではなく、あなたそもそも使い方間違ってますからって話です。

極端な例として「突然の雨でも大丈夫です」なんてパッケージに書いてあっても、小雨と夏の夕立のような土砂降りの雨では全く違いますよね

先ほどの例にあった「JIS防水保護等級4級」とか「JIS防水保護等級5級」ってなんなのかを理解すれば生活防水がどの程度なのかが解ります。

生活防水「IPX4」はどこまで水に濡れても大丈夫なの?

「IPX4」生活防水とは防塵性能は省略していて、防水性能が「あらゆる方向からの水の飛沫を受けても有害な影響を受けない。」レベル4なので直接水をかけちゃったらダメ、日常生活での雨による水滴や手洗いでの水しぶき程度と言う事になりますね。

「IPX5」であれば直接水がかかっても手洗い位の緩い水流やシャワーであれば、大丈夫と言う事になりますね

水しぶきと水流ですから随分違います、同じように生活防水とうたっていても注意が必要です。

注意点

防水性能は「常温の真水」に対してが基本なので、塩素の入ったプール・海水・お湯の中などではメーカーの言う防水性能が保証されません。また経年劣化などで防水性能が低下する事にも注意が必要です

防水等級で気を付ける事は

 防水性能を考えるとき、例えば「IPX7」は「IPX6」より等級が上位だから優れていると言う単純な事ではないんですね、

「IPX7」は水の中に一定時間(30分程度)なら大丈夫ですが、「IPX6」相当の水の暴噴流を受けた場合のテストはしていないので、製品に有害な影響を受けるかもしれません、等級が上位だから下位のレベルの性能すべてがクリアされているわけでは無いと言う事です。

水の暴噴流を受けた場合や水の中に一定時間(30分程度)水没した場合でも防水性能が維持できる性能がある場合は、「IPX6 / 7」とか「IPX6 / IPX7」と両方の保護等級を表示しています。

IPコードの意味を覚えておけば製品を選ぶ際の目安になりますよ

製品を選ぶときは何処に気をつければ良いのか

実際製品を選ぶときにはIPコードと、メーカーの製品に対する説明を合わせて確認する事が必要です、例えば「水に濡れても安心」とうたい文句があったとしたら、どの位濡れても大丈夫なのかは、IPX3のいわゆる(防雨形)なのかIPX5の( 防噴流形)なのかを確認すればおおよその検討は付きます。

因みに「iPhone7」はIP67等級/深さ1mまで・最長30分間までと表記されています。さらに「iPhone11」はIP68等級/深さ4mまで・最長30分間「ソーダ・ビール・コーヒー・紅茶・ジュース」などの飲み物にも耐性がありこぼしてしまった場合には水道水で洗って乾かして下さいと説明があり、以下防沫、耐水、防塵性能について細かく注意点の案内が書いてあります。

 メーカーは大抵、「IPX7/本体を水に浸けて水洗いもできます」とか「海やプールでも使えます」とか製品の性能を表記しているので併せて確認しておきましょう。

知っておけば、夏場に子供と水遊びをしていて、うっかり水の入ったバケツにポチャとスマホを落としても自分のスマホの防水等級を理解していれば、慌てる事も怒る事も無いですよ!涼しい顔してスマホを救出しましょう!

ただし!防水だからと言って過信は禁物ですが(笑)