こんにちはKeiです。
今回はDIYするならコンクリートについて知っておこう!って話しです。
実際コンクリートやモルタルでDIYと聞くと、なんだか大掛かりで難しそうなイメージがありますが、実は簡単に作れるので是非おぼえてDIYを楽しんでくださいね。
コンクリートを使えば、柱を立てたり・ブロックやレンガを積んで花壇を作ったりとDIYの世界が広がりますよ。
セメント、モルタル、コンクリートとは、違いは何?
専門的な事は別としてDIYで言うセメント・モルタル・コンクリートを分かり易く説明します。
セメント(ノロ) | セメントに水を加えて練った物 | タイル目地や表面仕上げ、接着に使います |
---|---|---|
モルタル | セメント・砂に水を加えて練った物 | レンガ、ブロック積み表面仕上げに使います |
コンクリート | セメント・砂・砂利に水を加えて練った物 | 基礎や駐車場など広く大きな場所に使います |
セメントと は、砂や砂利を固める材料、簡単に言えば接着剤、砂や砂利は骨剤といって骨格を形成する役割を担ってるんです。
住宅基礎やビル、公共の構造物で用いる際には強度や耐久性に関して細かな規定がありますがDIYレベルでは基本さえ守ればアバウトでも大丈夫ですよ
セメントDIYでココは知っておこう!
難しい事は知る必要も無いと思いますが、基本的な事は覚えておきましょう。
セメントDIYで重要な事は水
セメントは乾燥して固まるのでは無く、水との水和反応によって固まるって事です。
セメントを扱う時は、水がとっても大切なんです。
セメントに水を加えると化学反応によって多量の熱が発生し、固まる段階で収縮します。水セメント比が小さいほど、濃度の高いセメントペーストとなる為、接着力が大きくなりモルタルやコンクリートの強度は大きくなるのですが、特に砂利が入ったコンクリートは水が少ないと流動性が悪く作業しずらくなります。
だからと言って、水を多くすると水和反応に必要ない余剰水が後に蒸発しコンクリートの中に隙間が発生したり、乾燥収縮も大きくなりひび割れしやすく強度の弱いコンクリートになります。
詳しく知りたい方は、水セメント比W/C、遊離水、ブリージング、ジャンカ、レイタンス、混和剤で調べてみましょう。
じゃあ水はどれだけ入れたら良いの?
セメントが固まるのに必要な水はセメント重量の40%と言わており、最大でも65%以下にする必要があります。
でも40%ではパサパサで扱いにくいので、50〜60%で練ります。
モルタルの基本的な配合比率は、重量比でセメント1に対して砂3
コンクリートの基本的な配合比率は、重量比でセメント1に対して砂3・砂利6
強度が必要な場合は、セメント1・砂2・砂利4
水の量はセメント重量の50〜60%が基本的な配合率になります。
砂や砂利などの強固で安定(収縮や吸水率が低い)している物をセメントで固めて大きな石を作ってるって事なんです。
セメントは乾いて固まる訳では無いので、施工後に雨が降っても大丈夫です。
むしろ小雨なら恵みの雨になります(施工中や施工後直ぐは、余分な水が混ざったり表面が荒れるのでダメですよ)
基礎工事などでコンクリート施工後にブルーシートを掛けているのは雨除けでは無く日除け、乾燥防止の為です。
早く固まって欲しいからと言って風を当てたり直射日光に当てちゃうと急激に乾燥して水和反応に必要な水分が無くなってしまうので注意が必要です。
施工後翌日には固まっていますが、型枠も4.5日は外さずたまに散水してあげましょう。
コレも注意して!少しでも混ざるとダメですよ!
糖分NGです!糖分が混ざると固まりません、(固まっても脆くなる)作業中のジュースやアイスは厳禁!
セメントは強アルカリ性
セメントはpH12〜13と非常に高いアルカリ性です。
作業中は素手で触ると手が荒れてしまいます、必ず作業用のゴム手袋を着用しましょう。
また水槽などを作った場合には、魚を移す前に何度か水を張ったり、アク抜き剤や塗装などで水槽の水がアルカリ性にならないように対処する必要があります。
最後に、DIYに使った道具などを洗浄した時の排水も強アルカリ性です。そのまま流さず、アルカリ中和剤などで中和して流しましょう。
セメント
普通ポルトランドセメントの事を指します。モルタルやコンクリートの材料です。
セメントはホームセンターで25kg入り400円くらいで販売されています。
セメントに水を加えて練ったセメントペーストは「ノロ」といって、コンクリートの表面仕上げや、下地に塗布し接着性を増す施す為に使用します。
この『のろを刷毛で塗ることを「のろ引き」といいます。
モルタル「セメント+砂+水」
セメントに砂を混ぜ水で練ったものです。
砂はホームセンターで20kg/200円くらいで販売されています。
モルタルはブロックやレンガを積むときやコンクリートの表面仕上げに使います。
比率は重量比でセメント1に対して砂が3、水はセメント重量の50%〜60%位で練ります
限度はありますが、セメント量が多く水が少ない程強度は増すのですが、少ない水で練ってみるとかなり練りにくくパサパサです、出来上がったモルタルが流し込みにくいといって水を入れすぎると強度が落ちて、後々ひび割れなどのトラブルが発生するので、水の量には注意が必要です。
イメージは練り上がりがソフトクリームくらいで覚えておきましょう。
またモルタルは配合する水の量によって用途は様々にあります。
セメント1と砂3を空練りした物はパサモルと言って、タイル敷きなどの下地として使い、少量の水を加えたパサパサの、パサモルはレンガ積みの際に使用します。
色粉を混ぜてカラーモルタルをブロックに塗ったり、レンガやブロック積み、簡単な基礎など、モルタルはDIYには欠かせません。
写真の製品には、セメント25kg・砂40kg・水9Lと表示されています
袋の表示の計算上はセメント重量に対し水は36%ですが、密閉された製品の袋に入った砂は乾燥状態ではありません
コンクリート
上記モルタルに砕石や砂利を混ぜたものです
砂利はホームセンターで20kgが200円くらいです。
コンクリートは強度があるので基礎や駐車場など広い場所や荷重の掛かる場所に使います。また骨材の比率が多くなるので、モルタルより単価は安くなります。
圧縮には強いですが引っ張りに弱いので、重要な部分は中に鉄筋を入れて補強します。いわゆる鉄筋コンクリートです
比率はセメント1:砂3:砂利6がよく言われている基本の配合比率、強度が必要な場合は、セメント1:砂2:砂利4にします。
でも砂利が多くなると重くて練りにくいので、私は容積比でセメント1:砂3:砂利3~4で配合しています。 水は同じくセメントの50~60%位で練ります
上記写真の袋にはセメント1・砂2・砂利3での説明書きがありますね(分かりやすく商品数で書いてあります)
セメント重量に対し水は44%表記ですが、密閉された製品の袋に入った砂利は乾燥状態ではありません
セメントの配合率
セメントの配合はセメント・水・砂・砂利の比率は重量比が基本です
- モルタルの基本的な配合比率は、重量比でセメント1に対して砂3
- コンクリートの基本的な配合比率は、重量比でセメント1に対して砂3・砂利6
- 強度が必要な場合は、セメント1・砂2・砂利4
- 水の量はセメント重量の50〜60%が基本的な配合率になります。
混ぜる分量はこんな感じ、基本的に水は季節や砂、砂利の湿り具合なんかで調整します。
実際は使用する量がホームセンターの商品丸々1袋とは限りませんので、バケツ何杯で考えた方が簡単です。
私は、重量比では無く容積比で比率はセメント1・水0.7・砂3・砂利3でバケツではかっています
セメント1に対して水0.7=70%?
約47%!実はかさ比重で配合しています
かさ比重とは見かけの比重とも言われ、空隙も含めた容積で質量を割った数値
例えば綿の比重は約1.5ですが、かさ比重は0.2、バケツいっぱいのフカフカのタオルと水では、比重もかさ比重も1の水の方が5倍重くなります。
つまりセメントの比重は3.15ですが、かさ比重は1.5なので、バケツいっぱい=1.5
バケツ一杯のセメント1.5の50%=0.75なので、バケツ約7分目の水となります。
ザクっとした比率はこんな感じ
練りあがりの量が少なくなるのは、セメント・砂が粒の大きい砂利の隙間に入って締まっていくからで体積は減りますが、その分比重は高くなるのでめっちゃ重くなります。
一般的なセメント1・砂3・砂利6の配合の場合、コンクリートの練り上がりの量は、砂利の体積の量になります。
セメント1・砂3・砂利6だと出来上がったコンクリートはバケツ6杯
しかし私の様にセメント1・砂3・砂利3だと砂利に比べ砂が多いので砂利の量+砂利の間に収まらない砂の量=出来上がるコンクリートはバケツ4杯になります。
先ずはインスタントから始めてみましょう!
コンクリートを扱うのが初めての場合やちょっと補修したい場合などは、水を混ぜるだけのお手軽なインスタントを使ってみましょう
接着剤や混和剤が配合されている商品は、作業もしやすいのでおすすめ!
インスタントセメント (モルタル)
セメントと砂が配合されてあって水を入れて混ぜれるだけで使用できます。
ホームセンターで20kg/600円前後
1Kg程度の少量から25㎏位まで幅広い商品があります、通常セメントの色はグレーですが補修用の白色もあります。
硬化剤が入っている速乾タイプは、直ぐに固めたいなんて場合は重宝しますよ
水を混ぜなくても買ってすぐに使えるチューブタイプもあって手軽なんですが 手軽な分、単価は上がります
〈参考〉 水を混ぜて練るインスタントタイプならホームセンターなどで20Kgで施工範囲は厚さ1cmで1m×1mです
チューブなどに入った、そのまま直ぐ使えるペースト状のものは500gで800円位します
インスタントコンクリート
セメント・砂・砕石が配合されてあってこちらも水を混ぜるだけで使用できます
ホームセンターで20kg/600円前後
ホームセンターで4kg位のは見たことがありますが10kg~25kgの商品が多いです 土間や基礎部分に使用する為、使用量は多めです
こちらにも、速乾タイプもあります。
〈参考〉 ホームセンターなどでよく売っている20Kgだと、施工範囲は厚さ10cmで30cm×30cmです。
コンクリートDIYで準備するもの
グローブ・マスク
作業用グローブと使い捨て手袋
コンクリートは強アルカリ性、素手で触ると手が荒れてしまうので、私は作業用グローブと中にビニール手袋をはめています。
また、セメントは粒子が細かく飛散します、マスクをしたほうが良いと思います
混ぜるための容器
トロ舟
基礎などでコンクリートを大量に練るなら出来るだけ大容量の物を用意しましょう
ネコ3才深型
コンクリートを混ぜるための容器はトロ舟と呼ばれる箱が一般的ですが、私はネコと呼ばれる一輪車を使う事の方が多いです。
ネコなら練ったコンクリートをそのまま運べて、砂や砂利など他の資材の運搬にも使えます
混ぜる道具(スコップや鍬)
左官鍬と剣スコ、十能(柄が折れてますが)
混ざれば何でもよいのですが、砂利を入れたコンクリートは重いです 柄のしっかりした物を使いましょう。
左官鍬は練りやすいのですが、ネコで練るとバケットの底の形状に合わないので端の方が練りにくいんですよね
剣スコで混ぜて、左官鍬で練るって感じで使ってます。
十能は先のアールがネコのバケット底にベストマッチで、出来上がりをすくい易いので使ってます。
バケツ
子供の砂遊び用バケツ
バケツは水、セメントや砂、砂利の計量に使うのですが、容量が2L位のバケツの方が作る量を調整しやすいです。
練ったコンクリートを運ぶなら10L前後のバケツが丁度よいと思います。(コンクリートは10Lで23kg)
写真のバケツは容量2Lで子供の砂遊び用のお下がりです
調理用の計量カップのお下がりも使っています、少量を練るとき便利です
締め固めや均す道具(左官コテ、鉄筋、ハンマー)
モルタルやコンクリートを打設の際には、コンクリートを型枠の隅々まで充てんする為に、締固め作業が必要になります。
締め固める為にコンクリート専用のバイブレーターもありますが、手練りのDIY程度で使うのは贅沢と言うもの、DIYで締固める方法は「鉄筋で突き詰める」「型枠をハンマーで叩く」「左官コテで押さえて空気や水を追い出す」といった原始的な方法で十分
この作業を怠ると、内部に空洞やジャンカなどの充填不良が発生しコンクリートの強度に影響が出てしまうので、必ず実施する必要があります。
左官ごてと一言で言っても様々な形状のタイプがあります。慣れてくれば目的に応じて異なる形状のものを使い分けた方が作業効率も完成度も高いのですが、最初は荒塗り・中塗り用で十分ですよ
スポンジもあれば、はみ出したモルタルやコンクリートを拭き取る時に便利ですよ
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コンクリートを作ってみよう
バケツ一杯分のセメントの場合で説明します
1 バケツ3杯の砂をネコ(混ぜる容器〉に入れます
2 ネコにバケツ1杯のセメントを入れよく混ぜます
空練りといって水を入れる前によく混ぜておきます
3 良く混ざったらバケツ半分~0.7杯分の水を入れ練っていきます
砂の湿り具合で水の量は変わるので水は一度に入れるのではなく様子を見ながら調整していきます 完成はソフトクリーム位の柔らかさです
このままテカリが出てくるまで練り上げればモルタルになります。
ここまでの手順でモルタルの完成です
このモルタルに砂利を混ぜるとコンクリートになります。
4 コンクリートにする為にある程度混ざった時点で砂利を投入します。一気に重くなります
バケツ3杯の砂利を入れ混ぜていきます。
本来はセメント・砂・砂利を空練りしてから水を加えて練るのですが、私は先にモルタルを作って砂利を入れています 。
全体が混ざればコンクリートの完成です。
必要な量を計算しよう
コンクリートを作る前に、用意する資材の量を計算しましょう
練っている最中に足りなくなると最悪ですからね
まず施工したい範囲を測り体積を割り出します 横幅x奥行x深さ(高さ)
例えば 横100cm 奥行50cm 深さ10cmだとすると
1mx0.5mx0.1m=0.05㎥ 50L
地面などへの食い込み量を、みこして1割増しで、55Lです
練るときは容積比ですが、砂利の隙間にセメント、砂が入り込んで実際の体積は減るので、私はざっくり重量比で計算しています。
コンクリートの比重は2.3なので、必要量55L×コンクリート比重2.3=126.5kg
1:3:3の比率で計算すると1単位当たり18.07143kg
セメント18kg 砂54kg 砂利54kg セメント25kgが1袋、砂20kgが3袋、砂利20kgが3袋です。
あくまで自己流の計算なので、参考程度で!
いつも大体この計算で、ちょうどいい感じです。そもそも実際に練る時も、バケツで何杯って感じで計る量もアバウトです。そこがDIYの良い所(笑)
DIYでどれくらいの広さ、大きさまで出来るの?
ここでは、私自身のDIYから私なら!で考えてます、前提として1日に1人で手練りの場合ですね
ネコを使ってのコンクリートの手練りは0.2m3/200Lあたりが分岐点、0.3でも朝からやればなんとかなりますが、腰をいわすのでおすすめしません。
100L以上の広いトロ舟を使えば、1度に多くのコンクリートが練れますが、バケット容量が約50Lのネコで、私のいちどに練る量は10L前後です、200Lならざっと20回以上は練ります。
モルタルは楽に練れますが、砂利が入るとほんと重くて練りづらいんです、まったく別物に変わります!
コンクリートは練るだけではありません、流し込むだけで平になるわけでもありません。
材料を計る、混ぜて練る、流し込む、突き詰める、均す・・・材料を計る、混ぜて練る、流し込む・・・一人で作業するとこの繰り返しが延々と続きます。
流し込み終えたら、水平、勾配をとりながら全体を均します。
少し置いて浮き上がってきた水が引いた頃に、仕上げ均しをします。
もたもたしていると最初に流し込んだコンクリートが、固まりだして仕上げ均しが上手くいきません、特に夏場は固まり出すの早いですよ!
最後に後片付けの時間も必要です。住宅街では暗くなる前には、終えておく気遣いも必要です。
例えば、コンクリートは範囲が広くなれば伸縮での、ひび割れ防止の為伸縮目地が必要になるので、区画を区切ったデザインにして、一区画づつDIYする、スリットを入れたり、レンガ目地ならお洒落に仕上がります。
楽しんでDIYしたいですからね!ここ大事
大掛かりなコンクリートDIYならミキサー車を呼びましょう!
0.5m3を超えるようなら、素直に生コンミキサー車呼びましょう、0.5m3以上なら条件や地域にもよりますがほとんどの場合生コン呼んだ方が安くなるし、高品質です。
因みに、砕石なんかもホームセンターより安いので、駐車場へ敷く場合など大量に必要な場合には、建材屋に相談する事をお勧めします。プロ御用達のお店と言っても、素人でも大丈夫ですよ、色々教えてもらえます。
DIYでも、鉄筋コンクリートで擁壁作ったり、セルフビルドの基礎を作ったりも可能です。
余ったコンクリートの処理は?
コンクリートDIYで、一番厄介なのはコンクリートの後片付けです。
固まる前に流してしまえ!な―んて考えないように、コンクリートは水との水和反応(化学反応)で固まります、つまり水中でも固まります。下水や側溝に流してしまえば、固まって排水出来なくなります。
そもそもコンクリートは強アルカリ性、道具を洗った水はそのまま流さず中和してから流すようにしましょう。
自然環境にやさしく
中和剤は危険物・劇物に該当しない製品を選びましょう 例えばこちらのセメクリーンは凝集と中和の同時処理が可能です
私はコンパネで型を作って、平板やコンクリートレンガ、ピンコロにして、次回のDIYで使ってます。
基本私の地域ではブロック1つ程度なら指定する回収日に出しても可なので、洗った後に残った堆積物程度はその都度環境局など行政に問い合わせて一般ごみとして出してよい日を確認しています。まとまった量の処分は年間回数制限がありますが有料で事前予約すれば自宅まで激安で回収にも来てくれます。
同じコンクリートでも家庭から出た場合は一般廃棄物、事業所から出た場合は産業廃棄物なんですよね処理金額が大きく異なるので偽装する業者があるんだって、以前回収を依頼した時には庭まで入って何処から出たのか確認されました。
住んでいる自治体で対応が異なると思いますが、一度問い合わせてみれば良いと思います。
セメントはちょっとした注意点さえ守れば、難しいものではありません。
コンクリートDIYにチャレンジしてみては?